![]() ※「原作」のうち、★のものがメインで、印のないものは要素が部分的に使用されたエピソード。 第1回 エスパー誕生! 脚本/寺田敏雄 演出/田中健二 今日は魔美の14回目の誕生日。宇宙から謎の光が就寝中の魔美の部屋へ降りてきた。ダンス部の練習を終えて学校の校舎裏を覗くと、高畑が優二たちに絡まれている。そこで魔美が転んだ拍子に高畑が瞬間移動してしまった。それをきっかけに、高畑は自分がエスパーだと思い込む。魔美は宮内先生とロイヤルバレエ団の公演を観にいきたい一心でチケットをテレポートしようとするが偶然成功、一緒に行けることになった。優二達はキックボクシング部の設立を目指し辻殴りを始めるが、反発する高畑と対立。一方魔美は宮内先生との約束を蹴り高畑を救出、エスパーは魔美自身であることを自覚した。 原作の流れを踏襲しつつ、ダンス部や宮内先生、あるいは幸子の感情などドラマ版の設定を紹介した一遍。 第2回 超能力は友情の敵? 脚本/寺田敏雄 演出/田中健二 超能力を世界平和に役立てようと張り切る高畑に、なかなか本当のことを言い出せない魔美。高畑の部屋にいたことを優二や幸子に知られ、それぞれの感情が交錯するなか、魔美は高畑をダンス部に招き幸子のダンスを見せる。その時、幸子を妬む多恵子がビー玉を転がし幸子を転倒させようとするが、間一髪魔美の超能力で難を逃れる。それを目撃した高畑と気まずくなる魔美だが、高畑は考えを改め魔美を応援することを決意し、「エスパーガン」を手渡すのだった。 幸子は高畑が好き、優二は魔美が好き、高畑は魔美がちょっと気になっていて、魔美は全く気付いていない鈍感振り、という要素が前回よりも明確に描かれた。これが本作の縦軸となる。 第3回 名画と鬼ババ 脚本/寺田敏雄 演出/田中健二 魔美の父が個展を開くことになった。高畑や幸子の協力を得て宣伝をする中、宮内先生も観に来てくれる事になるが、魔美はつい豪華な画廊で開催すると言ってしまった。しかし実際は小さな場所。客の入りも良くないが、誤って「里の春」という絵を二重売りしてしまった。魔美は二人の客にそれぞれ事情説明するが取合ってもらえず、その隙にハザマローンの女社長が強引に絵を買い取っていった。抗議するべくハザマローンに向かう魔美だが、そこには穏やかな表情の女社長がいた。「里の春」は彼女にとって幼い頃の郷愁を誘う絵だったのだ。その想いはもうひとりの客である老人も一緒だった。二人は絵をきっかけに数十年振りの再開を果たす。そしてその礼として、個展を豪華な画廊で開催することになり、魔美は宮内先生に対し面目がたった。 人と人との不思議な出会い、そして奇蹟など、ドラマ版が力を注いでいる要素が詰まったエピソード。ハザマローン社長・羽佐間三千代役の李麗仙さんの演技が光る。観応えの有る一遍だ。 第4回 UFOを呼び寄せろ 脚本/寺田敏雄 演出/田中健二 石部がトリック写真を撮影する動機は、普段から目立たないことを気にしていて自分の存在に気付いてもらうため。だが優二はそんな石部に理解を示したからこそ、今までもこれからもクラスの仲間だと宣言する。しかし石部はギリギリまで優二に転校の事を伝えなかった。……今回の追加要素は、図らずしもアニメ版オリジナルエピソードの「さよならの肖像」に似ている。また、引っ越していく石部の乗った車を優二が自転車で追って見送るラストは、これもアニメオリジナルの「俺たちTONBI」に似ている。『エスパー魔美』という題材を得たアニメとドラマが、それぞれ偶然にも同じ様な所へ行き着いた瞬間だ。 第5回 ラストシーンをもう一度 脚本/藤長野火子 演出/田中健二 映画研究会・部長の有原は、偶然にもテレポート中の魔美の姿をビデオに収めた。幸子は落ち込んでいる魔美を元気づけようと、映研のオーディションへ魔美を誘うが、ジュリエット役を狙う女生徒でいっぱいだ。有原は魔美を主演女優として抜擢、副部長以下部員達を敵に回しつつ強引に「透明ドラキュラ」をクランクインする。演技力の無い魔美に加え、横暴な態度の有原に対し嫌気のさした新入部員達は次々と辞めていき、いよいよラストシーンを残すのみとなった時には、有原、魔美、ケイコの三人だけになってしまった。有原は魔美に証拠のビデオを見せつつ空を飛ぶ事を要求するが、魔美は拒否。高畑に相談し、映研部室に忍び込んで証拠のビデオを念写で映像消去する。その時はずみで、ケイコが撮影したメイキングビデオが映し出される。そこには作品に懸ける熱心な有原の姿が。翌日、なんとしても作品を完成させたい魔美は有原を説得するが聞き入れられず、決心し実際に高所から飛び降りる。有原は撤収するが、その間に魔美とケイコが副部長以下もともとの映研部員を説得しラストシーンの段取りを組む。そして部員達は笑顔で有原を向かえ入れた。 有原は、原作の有原と黒沢を併せたようだ。(原作版有原はヌードモデルとしての魔美を狙い、黒沢はエスパーとしての魔美を狙う。)また、熱心さのあまり狂気にも似た要求をする監督と言えば、原作「リアリズム殺人事件」の竜王寺監督も思い出す。これらの要素を取り入れつつも、学園ものとしてハッピーエンドに持ち込む手腕に驚かされる。今回は特にラストシーンに被る主題歌の歌い出しが痛快に感じた。 第6回 バレンタインの冒険 脚本/下川 博 演出/今井洋一 もうすぐバレンタインデー。魔美がチョコを作っているとパパとママが口論を始める。ママは出張に行くため玄関を叩き付け、パパははずみで階段を踏み外し入院してしまう。パパはママには連絡するなと魔美に告げ、ママは仕事中で帰れないという。見かねた魔美は高畑と共にママの所へ向かう。そこには見知らぬ紳士と食事するママの姿が。一方パパも、ママと結婚せずパリへ留学していたら……と一瞬考える。不安に駆られた魔美は過去へテレポートして若き日のパパの机に置かれたママからのチョコとパリ行きチケットのうち、チョコを隠してパパに留学の道を歩ませる。翌日、学校ではバレンタインの話題で持ち切りの中、魔美はそれどころじゃない。心配する高畑は死んだ父親と母との話を魔美に聞かせ、夫婦の関係の奥深さを説く。魔美と高畑が病院へ行くと、中庭でパパとママが和解している。が突然二人の姿が消えてしまった。ふと噴水の水面を見ると、そこには有名な画家になったパパと、見知らぬ紳士と結婚したママ、そして父親が違っていてなおかつ宮内先生とうまくいっている魔美の姿が映っている。しかし、パパもママもまだお互いの事が好きなのだ。魔美はもう一度過去を変えるべく池に沈んでテレポート。今度はチケットを持ち去り、現在の世界にパパとママが元通り仲睦まじく復活した。 二人のケンカの原因は、パパが駅前の温泉ランドの大浴場の壁に富士山の絵を描くよう依頼され引き受けたら、ママからお金のために仕事はしないでくれと言われてしまった事から。生活の稼ぎはママにおんぶにだっこ、パパも男として絵の具代ぐらいは自分で稼ぎたいと思った。しかしママは解ってくれない。両者の認識のずれから衝突してしまった訳だ。 第7回 カムバック大作戦 脚本/藤長野火子 演出/今井洋一 超能力がいまいち調子の悪い魔美。ダンスも調子悪く落ち込んでいると、寂しげに歌う中年男性の姿が目に入る。歌手の任紀高志だ。質屋の主人もパパも任紀の歌を大変高く評価している。しかし本人は落ちぶれてしまい豪邸も売家となり自殺を考える。激しいベルの音を聞きつけた魔美が失敗しながらテレポートすると、豪邸の中で任紀が倒れていた。誤ってピストル強盗もテレポートしてしまい、豪邸内に緊張が走る。テレポートでの脱出は失敗するも、テレキネシスで強盗を縛り上げるのにはなんとか成功。任紀は魔美を帰しもう一度自殺をと考えるが、強盗に激しく罵られる。「自殺する奴はいいさ、しかし残された人間はどうするんだよ!!」と。強盗が幼かった頃、父親が自殺し母親も病気になり、彼も荒れた。ひとつの自殺がたくさんの不幸の始まりとなったのだ。魔美は任紀と強盗、双方を励ますがなかなか聞き入れられず。そこで任紀に彼のヒット曲「私の青空」を歌うよう頼む。魔美の手から一条の光が放たれ月を動かし、窓から入る月光がスポットライトのように明るく任紀を照らす。そして任紀の歌を聴き感動した強盗は自首を決意、任紀も再起を誓う。 極めて原作に近い作りとなった今回は、重苦しい題材を明るく描くことに成功している。特に強盗のディテールを掘り下げた事により、深い感動を与えるベストエピソードとなった。 第8回 ママを救出せよ! 脚本/下川 博 演出/今井洋一 ダブダブラ大統領が来日、名古屋に来ることになった。彼は暗殺者ブラックキューピットに狙われており、厳戒体制がとられている。ママは大統領が唯一戸外に立つ友好会館での演説のときを狙ってくると予測するが、誰も取り合ってくれず荒れる。そしてパパのアドバイスを受け友好会館周辺のマンションに一年以内に移転してきた人を当たるが、ブラックキューピットに監禁されてしまう。一方、ほぼ同時に魔美の超能力が機能不全になる。その頃パパへママから電話、「今日は帰れない。ママの友達から電話が有ったら、こちらから連絡する。パパや魔美も有ったことの有る人だ」という旨を伝えるが、パパは心当たりがない。超能力回復のため横になる魔美だが、なかなか回復せず神社で夜通し井戸水をかぶる。野辺山の告げ口によりさすがのパパも魔美を連れ帰り事情を聞くが、魔美は素直にママがブラックキューピットに捕まっていることを告白、パパも素直に受け入れ、高畑も交えママ救出のため友好会館へ急行する。ママが電話で伝えてきた友人の名前が、実はヒントだったのだ。かくしてブラックキューピットの居場所を突きとめママの救出に成功するが、一瞬の隙に逃げられる。超能力は回復したはず、と魔美はブラックキューピットを屋上へ追い詰めるが、銃で撃たれてしまう。が、胸ポケットに入っていたエスパーガンによって命は助かり、テレキネシスでブラックキューピットを演説中の大統領の前へ飛ばしてしまう。かくして事件解決、大統領は「天狗の姿を見た様な気がする」とコメントした。 原作ではいかにも犯罪者然とした容貌のブラックキューピットだが、ドラマ版では正体を隠しており、それは意外な姿だった。また、ママの言葉の謎説きや、「名古屋は第二の故郷」と語り来日の意味合いを深めた大統領、アニメ版と同じオレンジのワーゲンに乗るパパなど、見所も多く原作以上に楽しめる一遍だ。 第9回 宮内先生の恋人 脚本/寺田敏雄 演出/濱田裕之 今回は原作の陰木さんに相当する、野辺山さんがクローズアップ。二話分の原作を使用し彼女の心の裏側を描いた。原作では陰木さんの御主人は病気持ちで寝たきりだが、野辺山さんの御主人は既に亡くなっている。その他もアレンジが絶妙で、その最たるものがカスミだろう。宮内先生とは恋人で、ダンスの名手となれば否が応にも魔美と絡んでくるし、次回への引きともなった、本作最大級のゲストキャラである。 第10回 決戦!ダンス大会 脚本/寺田敏雄 演出/小松 隆 突然現われたカスミを部員達に紹介する宮内先生はどこかぎこちない。そしてセンターを決める最終選考の結果、魔美も選ばれたが自信がない。そんな様子を目撃した優二は、魔美は選ばれなかったと思い込む。歩くのさえ面倒な魔美はテレポートしながら帰るが、高畑に超能力の使いすぎだと指摘され、しばらく超能力を封印することにした。カスミは再び宮内先生を訪ねる。三年前に怪我した足はもう治っているはず、ニューヨークに戻ることを薦めるが、宮内先生は聞き入れない。魔美が帰宅すると優二がクリーニングの受け取りに来ていた。魔美が気掛かりな優二は励ましの言葉をかけるが、魔美はセンターに選ばれており自分の勘違いに気付き気まずい。更に高畑から魔美へ電話が掛かってきて、優二はいたたまれず佐倉家を後にする。高畑の連絡により「弥生」に急行した魔美は、酔って荒れ狂う宮内先生の姿を目のあたりにする。宮内先生の過去を高畑に話し超能力による解決を提案する魔美だが、高畑にたしなめられる。魔美は幸子と共にカスミを訪ねる。そして大会当日、各校のダンスが披露され、最後は明月中学校ダンス部だ。魔美達の華麗なダンス。更にスペシャルゲスト、カスミが舞台に上がり、魔美達は宮内先生とのペアダンスに期待するが「冗談はやめてくれ!」と突っぱねられる。去り行く宮内先生を背にエスパーガンを取り出した魔美は、強引にテレポートさせる。舞台に出現する宮内先生を笑顔で向かえるカスミ。二人のダンスに皆が魅了された。そして、宮内先生はニューヨークでもう一度やり直すことを決意する。下校途中、魔美と高畑の前に自転車に乗った優二が真剣な顔で現われる。高畑を問い詰めライバル宣言した優二は魔美をデートに誘う。さすがの魔美も三角関係に気付いた。 今回から最終回までは完全にドラマ版オリジナルエピソードだ。 第11回 高畑君のピンチを救え! 脚本/寺田敏雄 演出/小松 隆 デートの約束をしている優二と魔美が、揃って遅刻したことに高畑は不機嫌。様子のおかしい高畑を気に懸けた水谷先生は、「魔女に心を奪われた者は、本人だけでなく身内にも不幸が訪れる」と語る。そんな折、非常ベルを聴き付けた魔美が向かった先は居酒屋「弥生」。店内で高畑の母・やよいが倒れており、秘伝の味噌の入った壷も割れてしまっていた。過労による貧血で入院することになったが、明後日は「弥生」の開店二十周年、しかし秘伝の味噌が無ければ名物「味噌はんぺん」が出せない、やよいはもう潮時かと閉店を覚悟する。魔美も店が心配だが高畑の態度に苛立ち、気持ちは揺れ動く。魔美から話を聞いた幸子はやよいを見舞いし、店を手伝うことを志願する。しかし全く役立たずだ。一方、優二は高畑に改めて宣戦布告、日曜の魔美とのデートを決行する。だが優二も魔美もどこかぎこちない。かくして「弥生」の営業が始まるが、味噌はんぺんが無いために客足は遠のく。デートを中断して「弥生」に駆けつけた魔美は、割れた破片に残った味噌を頼りに、超能力で味噌を復元する。しかし、高畑は素直に喜べない。父が十数年かけて創り上げた味噌をわずか数秒で再現してしまう超能力は残酷だ、父の十数年は何だったのか、と。意を察した魔美は味噌を捨て、自宅へ駆けパパに協力を要請する。魔美自身は駅前で店の宣伝。そこへ現われた優二、そして高畑も宣伝のため共に叫ぶ。三人が店に戻ると、溢れるほどの大盛況。病院から駆けつけたやよいに、パパが創った新名物「味噌ハンペング」を皆一丸になって報告する。これで「弥生」は存続するのだ。今回の件を通じて、魔美は高畑が好きだと自覚する。翌日、ベルを聴いた魔美はトラックに轢かれそうな子供を超能力で助けるが、その現場をパパに目撃されてしまった……。 度々登場していたパパの得意料理・ハンバーグが活かされ、「味噌ハンペング」が考案された。また、今回の事件を通して、魔美、優二、高畑、幸子の各々の感情は最高潮となる。魔美がプラカードを持って宣伝するのは原作「エスパークリスマス」からか?ラストでは魔美が超能力を使う瞬間をパパに知られてしまう。魔美最大のピンチは次回へ続く……。 最終回 恋 それとも 魔法 脚本/寺田敏雄 演出/小松 隆 超能力を見られた魔美は、いつもと変わらぬ態度で接するパパに戸惑う。学校で高畑に相談しようとするが、取り入って貰えない。高畑は水谷先生に改めて魔女のことを聞く。「多くの魔女は、本当の能力が開花する前にその能力を失ってしまう」という言葉が気になっていたのだ。そして「キスというのは魔力を消し去る力がある」と吹き込まれた高畑は、魔美の相談も上の空、避ける態度すら見せるので魔美は怒る。気落ちして帰宅した魔美は、思いきってパパにエスパーであることを告白。パパは打ち明けてくれたことを素直に喜んだ。ママにも明かし、目の前でテレポーテーションを披露しようとするが、何故か出来ない。そしてママからは二週間後にパリへ引っ越すことを告げられる。ママは海外特派員として、パパも絵を描くために。翌日、魔美は高畑に超能力使用不能を伝えるが、あくまで避けるような態度のため激怒する。魔美が高畑のことが好きなのを見通している幸子は、素直になりなよと励まし魔美から告白するよう勧める。優二に頼まれたと告げつつ強引に魔美を連れ出すと、小高い公園に高畑がいる。応援しつつその場を去る幸子。魔美は高畑に告白するが、高畑は君は恋をしちゃいけない、恋をすると超能力が失われてしまう、君はエスパーでなきゃ……と。魔美はエスパーとしての枷を自覚せざるを得なくなる。幸子から話を聞いた優二は高畑を神社へ呼び出し、いきなり殴る。本当のことを説明しようのない高畑の言動は、更に優二を怒らせ取っ組み合いの激しい喧嘩となる。気落ちしている魔美はパパのアトリエへ。そして改めて、自分を大切に思っていてくれたパパに感謝し、質問する。もし、恋か魔法かどちらかしか選べなかったら、どちらを選ぶか。返答は「恋。恋は魔法みたいなものだからな」。嬉しくなった魔美はどこかへ走る。一方、高畑も全力疾走。二人が出会ったのは、互いの家に向かう際近道となる公園。もうすれ違いはない。もはや自分の気持ちに嘘をつけない高畑は、魔美のパリ行きを承諾した上で告白、二人はキスを交す。そしていよいよパリへの引っ越しの日。クラスメートに報告し高畑との事を冷やかされつつ、高畑に見送られ、一歩大人になった魔美は旅立って行く。 全てが丸く収まったクロージング。水谷先生の発言は結局当てにならなかった。遠距離恋愛だかなんだか分からない、魔美と高畑のつきあいはこれからも続くのだろう。なお、アニメ版最終回はパパが独りでパリ留学に行く話だった。 |