最近オバQづいてるNUですが、このたびなんと! 第一作の白黒アニメでオバQの声を担当された(NU読者の中には、悪の女王役のイメージが印象深い方もいるかもしれませんが)曽我町子さんとのコンタクトに成功。曽我さんのお店でお伺いしてきました。

★この取材記事は NU32 号に掲載しています。

 


〜元祖オバケの Q 太郎のころ〜


元祖『オバケのQ太郎』( 1965 )の声


曽我町子さん 
SOGA MACHIKO

プロフィール:東京都八王子生まれ。声優として、 NHK 人形劇『チロリン村とくるみの木』( 1961 )『オバケのQ太郎』( 65 〜 68 )『サイボーグ 009 』の 007 ・グレートブリテン役( 65 〜 68 )、俳優として東映『 5 年3組魔法組』( 76 )のベルバラ役、『レインボーマン』( 72 )のゴッドイグアナ役、東映での『太陽戦隊サンバンルカン』( 80 )『電子戦隊デンジマン』( 81 )『時空戦士スピルバン』( 86 )『恐竜戦隊ジュウレンジャー』( 92 )の悪の女王役ほか、さらに『ジュウレンジャー』のアメリカ版『パワーレンジャー』( 93 )の魔女リタ役で国際的な人気も得た。

■オバQとの出逢い

―オバQ役を担当されるまでの経緯をお聞きしたいのですが…

まだアニメが始まる前に、不二家がオバQのフーセンガムのコマーシャルで 「オバQの声をやってくれ」という話が来たんです。

―そのお話以前に「オバQ」の漫画は御存じでしたか?

当時は忙しくて漫画見てるヒマはなかったんです。それでコマーシャルの話が来た時に「こういう漫画です」って見せられて、ハッキリ言って最初「エッ」と思って。気持ち悪い、というのが第一印象です。 でもやってるうちにだんだん愛情が出てきて、とっても可愛くなったけど。

―その時はどのような感じで演じられたんですか?

どういう声を出せばいいか考えて、あたしの出る声の中で普通にやりました。だからコマーシャルの時はちょっとおかしいかな、というぐらいです。
それから大分経ってから「今度はTVでやりますから」って、オーディションの連絡が来たんです。あたしはあまりオーディションってやった事ないんですけど、その時は黒柳徹子さんとか、もうそうそうたるメンバーが集まって。でもあたしはコマーシャルの時に一度やってるから気合いを入れて、結局あたしに決まったんです。
決まってからもう一度改めて漫画を見て、「どういうイメージでいこうかな」って役づくりをしたんです。コマーシャルは一発勝負だけど、今度は動くから。「オバQ」に限らず、あたしはまず演技プランを立てるんです。仕事というのは自分が楽しまなくっちゃ。自分が楽しいから、見ている方も楽しい。己がしっかりと役をつかんでなかったらダメなんです。

■オバQブームの頃

―不二家のデンマーク旅行のお話をお聞きかせください。

不二家としては、オバQと一緒に行こうという事なんだろうけど、不二家のスタッフって案内役みたいな人が1人だけで、大人の女性ってあたししかいないの。だから夜遊びに行こうったって、できないの(笑)。
 で、子供たちがホテルの部屋で靴下洗ったりしてるの。それでいきなり熱湯出しちゃったりするから、みんなに「まずお湯を出す時は温度を確認してからね」って言っても「うわーっ」って大きな声が聞こえてくるの(一同笑)。
感心したのは、ドイツで飛行機の調子が良くないから急遽バーデンバーデンに近い所で一泊したんです。予期してないから見る所もないし―子供たちは連れてってもらってるから喜んでるけど。あたしもバーに行っちゃって楽しんできたの。で、翌朝出発するんで支度して降りてきた時に、子供の1人が「トイレに行きたい」って言うの。「トイレって言えば通じるよ」「でも通じないんだよ」そうしたらその子が「いいこと考えた」ってトイレの絵を描いたのね。それがうまいの。引っ張るひもまで描いてある(笑)。それをホテルの人に見せたらちゃんと通じて。それからどこへ行くんでも紙と鉛筆を持って、何か聞く時は絵でね。それで結構言葉には困らなかったんです。

■「オバQ音頭」レコーディング秘話

―「オバQ」では何曲か歌を歌われてますね。

「オバQ音頭」の時は、実はあたしすごい風邪をひいていて、「すみませんがレコーディングの日を延ばしてもらえませんか」って言ったんだけど、ちょうどその時日本コロムビアがストで、普通なら「うちもストですから延期しましょう」って事になるんだろうけど、管理職の連中が現場の仕事ができるから、って張り切っちゃって。

 コ「石川進さんのスケジュールがこの日しか取れないんですよ」
 曽「じゃあ声が出ませんけど、なんとかやります」
 コ「あ、声が出なかったら、黙っててもいいですから」

だから「オバQ音頭」は、声が出てればもっと面白く歌えたはずなのに……あれは日本コロムビアのせいなんです。

―「オバQ音頭」は当時ものすごく売れたんですよね。

そう。レコードっていうのは売ろうとして売れるもんじゃないから。こっちが「もう最悪だよ」なんて思ってるのが、売れちゃったりするんだから(笑)。
あたしは大人の歌もうたったけど、オバQに限らずキャラクターの歌っていうのは、その役になり切ってたのしく歌えばいいんですから、あんまり上手に歌ったら面白くないんです。

―この他にも曽我さんからは「オバQ」以外の出演作や、旅先での出来事など、貴重なお話を多数お伺いする事ができたのですが、今回はオバQのお話をメインで紹介させていただきました。

 ありがとうございました!


2000.3.3

国立市 ステラにて



 

●2006年5月7日に、惜しまれつつ永眠された曽我町子さんへの哀悼の意をこめて、NeoUtopia 32号(現在絶版)掲載の取材記事全文を[Acrobat PDF]ファイルで提供いたします。ご覧になりたい方は、こちらからダウンロードをしてください。