笑いだったら負けません


藤子スタジオ・アシスタント第 1 号

ヨシダ忠先生 
YOSHIDA TADASHI


 
プロフィール:本名 吉田忠明(よしだただあき) 1944 年 1 月 3 日福岡県博多生まれ。岡山倉敷育ち。手塚治虫さんや和知三平さんの影響を受けギャグ漫画家をめざし、赤塚不二夫のギャグに衝撃を受けた。藤子スタジオ入りする前は意外にも藤子先生はあまり知らなかったそう。しかし間近で接して、藤本先生の構成力と安孫子先生の新しいものを取り入れるどん欲さ、お二人のお人柄を知って尊敬するようになったそう。デビュー作は、同時に描いた「はりきりスギ太」( 67.11 冒険王増刊)「植物人間ピーマン」( 68.1 少年ブック増刊)。近年では趣味のインコ飼育で愛鳥雑誌への寄稿もされている。


藤子スタジオ時代


藤子スタジオのアシスタント第一号だと思います。私が入った頃は、西村くんという人が一人お手伝いでいたけど、怒ったときは、安孫子!なんてため口を聞いたりする感じでアシスタントという感じではなかったし、つのだプロのアシスタント募集で落ちた人をせっかくだからと採用した人たちはそれまで漫画を描いたことのない人たちばかりで彼らに漫画の書き方を一から教えたりしたんです。だから私がお二人の下で先生のちゃんとしたアシスタントとして働いた第一号だと思います。
当時は、本当に忙しくて『すすめロボケット』『オバケのQ太郎』『ハットリくん』『怪物くん』『スリーZメン』…といった感じで、『すすめロボケット』の終わり頃と『オバケのQ太郎』はかぶってね、一冊の雑誌に同時に 2 本の漫画が載るなんてこともありました。当時発売されていた雑誌のほとんどに載っていたような気がしますね。
入ったときは、十二社の市川ビルにスタジオゼロが引っ越してきたばかりのときです。まだ会社という形にはなっていなくて、フジオプロとスタジオゼロがワンフロアに同居していました。途中でフジオプロが出て、つのだプロがその後に入って。私が入って一年くらいして現マネージャーの松野さんもこられて有限会社藤子スタジオができたのかな。
一通り漫画の作法は覚えたので、 1 本立ちしたくて 68 年ころに独立しました。
私が辞めた後、アシスタントの統制が取れないということで永田竹丸さんがチーフで入られました。
安孫子先生の作画は、鉛筆で 1 本線できっちり描いてあって、そのままコピーして原稿にできるくらいきっちりしているものでした。それを私がペン入れてしていました。藤本先生の絵はもやもやした線でしたね(笑)。顔だけ藤本先生がペンを入れて体は私が入れるというやり方でした。でも藤本先生は、構成力がすごかったですね。絶対に真似できないと思いました。
安孫子先生にはやめるとき、ヨシダくん、来た仕事は断っちゃだめだよ。全部受けるんだよって言われたのが印象に残っています。



なぞなぞ漫画


70年ころから、当時なぞなぞブームで小学館の学年誌でなぞなぞ漫画を描くようになりました。毎年いろいろ考えて新しいキャラクターをやっていました。さあ今年は何をやろうかと言われて(笑)。影を扱った 71 年の『なぞなぞまっくろう』は山根あおおにさんの『カゲマン』より早いと思いますね。なぞなぞブームはすごくて今では考えられませんが、お金もかけてました。カラーページ使ったり、付録の表紙のタイトルに金箔を張ったり。『なぞえもん』は、その当時オバQが露出していないからって、ボクが描けば藤子先生も文句を言わないだろうということでオバQも入れてって言われて、途中から『オバQとなぞえもん』になっちゃいました(笑)。


ハムサラダくん


最初は『まんが道』(あすなろ編)が大人向けだったので、コロコロの読者である小学生にもわかりやすいものにリライトしてくださいというもので、ただ書き直しただけで取材も何もしていないんです。そんな作品のはずがとても人気が出て、のって描きましたね。第 2 部からはハムサラダくんのキャラクターが一人歩きを始めて、アメリカ帰りの漫画家とか勝手につくちゃったりして(笑)、藤子先生に申し訳なくて、なんども「藤子不二雄物語」を取って欲しいと言ったのですが(笑)。でも自分の漫画人生なんかも重ねて本当にのって描いてました。そのうち本家の安孫子先生が少年キングで『まんが道』を始めたり妻が病気になったりやめてしまったのですが、終わったあとも人気があって第 2 部が終わったあとの特別編を 2 回描きました。



ふしぎシリーズ


この本、もともとは別の新書シリーズの中の本だから原稿が小さいんです。だから「ふしぎシリーズ」の方は等倍かもしかすると拡大しているかもしれません(笑)。最初は私が 5 冊全部ということだったんですが、忙しくてとてもできないので、ちょうど藤子スタジオから独立したばかりの方倉くんに一冊やってもらおうかと思ったら、なかなかいい返事くれないんです(笑)。やはりいくら尊敬する師匠の作品でも独立したばかりだったから、人の作品で描くのは気が進まなかったみたいでね。彼はいつかとくとくと語っていたんだけど高尚な作品を描きたかったらしいから(笑)。しょうがないから半分私が描いてやってもらったのが「日本のふしぎ」です。この時は、自分のオリジナル作品のときには、印税、人のキャラクターでやる仕事は版権買取にしていたんです。そうしたら、売れに売れて。小学館の人も本当なら、一ケタ違うのにすまないねえと、あとで報奨金をくれましたね。方倉くんはきっと儲かったんじゃないかなあ(笑)。



−貴重なお話ありがとうございました。


2002.06.29

ヨシダ先生のお仕事場にて
取材:目黒広志・てふてふ


ハムサラダくん

 第一部  1977/Nol.1 〜 1978/Nol.4

 第二部  1978/Nol.6 〜 198 年 07 月号

 No.27 1981 年 8 月号 /No.40 :特別編 1 1982 年 5 月号 /No.49 :特別編 2  

 全 2 巻までの単行本に全話は収録されておらず 3 巻を出す原稿はあるそうです。


ヨシダ忠作品リスト

1967/11  はりきりスギ太 冒険王増刊号・読切
     デビュー作その1
1968/01  植物人間ピーマン 少年ブック増刊号・読切
     デビュー作その2
1968/03 コウモリくん 別冊少年キング・読切
1968/08 百年目のいなかっぺ ぼくら・連載 
 TBSテレビとのタイアップ
 原作:笠原良三・協力:TBSテレビのクレジットあり
1968/09  サイケくん 少年画報・読切
1968/11 トリトル先生がいく 別冊少年キング・読切
1968/11 バカスカ セールくん 少年マガジンコミックス・読切 
1969/01 かけろコケ太 ぼくら・連載
1969/02 とびだせコント55号 少年画報 読切
1969/04 コント55号のなんでも大作戦
 原作:北上健 少年画報・連載 テレビタイアップ
1969/02  おせおせヌーボー 別冊少年キング・読切
1969/04  やじ馬一家 別冊少年キング 読切
1969/05 ジャラゴンの大冒険 ぼくら・連載 原作:山田正弘
1969/10 なぞなぞドッカン 小学一年生・連載
1969/12 おーライバル ぼくらマガジン・連載
1970/02 ギトギト集団 ぼくらマガジン・連載
1970/06 グーなやつ ぼくらマガジン・連載
1970/09 はみだしゲロパ ぼくらマガジン・読切
1970/09 ながらのゾロメ 少年画報・連載
1970/10 親ばか〜のブルース ぼくらマガジンコミックス・読切
1971/04 なぞなぞまっくろう 小学一年生・連載 
1971/04 あい 少年画報・読切
1971/07 きになるおれ 中学二年コース・付録 
1971/11 あいあい親子 少年マガジンコミックス・3部作
1971/12 挑戦 少年マガジン増刊・読切
1972/06 補欠情報部員00ロンパー 少年マガジン増刊・読切
1973/08 なぞなぞバンバン 小学一年生・連載
1974/04 オバQとなぞえもん 小学一年生・連載
1974/05 もの知り仮面 小学五年生・連載
1974/06 月刊やじ馬くん 小学生ブック・連載 
1975/02 カリメロ おひさま・連載 
1975/04 なぞなぞなぞべえ 小学一年生・連載 
1975/04 三ちゃんクラブ 小学三年生・連載(10年間連載) 
1975/07 冒険ロックバット テレビマガジン・連載 
1975/09 カリメロ 小学二年生・連載 
1975/04 スター全員集合 小学三年生・連載(2〜3年連載したはず)
1976/01 どえらい博士 少年マガジン増刊 読切
1976/01 一休さん 小学二年生・連載
1976/04 なぞなぞなぞメン 小学一年生・連載
1976/06 いけいけ!やじ馬くん テレビマガジン・読切
1976/08 三休さん テレビマガジン・連載
1976/09 とんちの一休さん 小学一年生・連載
1976?  一休さん とんち101 101コミックス
    (後にとんちばなしふしぎシリーズの一冊として新装)     
1976/10 ドラえもん うらない101 101コミックス
(以降続巻 後にドラえもんふしぎシリーズとして新装)
1976/11 どえらい博士 少年マガジンコミックス 読切
1976/12 それゆけ!ターザン てれびくん 読切
1977/vol.1 藤子不二雄物語ハムサラダくん 
     コロコロコミック・連載
1978/01 フーセンマン たのしい幼稚園・連載
1979/07 ドラえもん全百科
1979/04 なぞなぞまじっくん 小学一年生・連載
1979/09 ぱぴぷぺピッポ たのしい幼稚園・連載
1979/12 続・ドラえもん全百科
1979〜 ドラえもん ふしぎシリーズ・3冊(単行本)
1980〜 一休さん とんちばなしふしぎシリーズ・3冊(単行本)
1984/08 おれたちマイコン族 POPCOM・連載
     (〜1987/10まで)本郷一朗・作
1985/04〜86/03 ホームレッスン 旺文社 1年間連載   
1988/12 ドラえもんのなぞなぞポケット てんとう虫ブックス
     (以降続巻)
1992/08 おつかれさん劇場 月刊FACE/総合法令・連載
     (1993/03まで)
1992/03 まんがで読む労働基準法 総合法令  山崎和義・著
1994/06 まんがで読む離婚 総合法令  山崎和義・著


(本リストは、不完全です。まだまだ修正していく予定です。)

 

小学館なぞなぞまんがシリーズ


 小学館の学習雑誌に年替わりで連載された作品群。当時なぞなぞブームで高い人気を誇った。
・なぞなぞどっかん( 1970 )
・なぞなぞまっくろう( 1971 〜 72 )
・なぞなぞバンバン( 1973 )
なぞえもん ( 1974 )
・なぞなぞなぞべえ( 1975 )
なぞなぞなぞメン ( 1976 )
・なぞなぞまじっくん( 1979 )


講談社たのしい幼稚園


講談社で 2 本だけ描かれた非常にかわいい作品。ヨシダ先生も気に入られているとのことだ。
・ぱぴぷぺピッポ( 1979 )
・フーセンマン( 1978 )


まんが単行本リスト


1979/09
〜 藤子不二雄物語 ハムサラダくん 1 ・ 2 巻 未完
1980/05  一休さん とんちクイズ 小学館・学習まんがふしぎシリーズ
1980/10  一休さん とんちパズル 小学館・学習まんがふしぎシリーズ
1981/06  一休さん とんちなぞなぞ 小学館・学習まんがふしぎシリーズ


単行本リスト


1971/10  うらない百科 集英社・フジオ・プロ横山孝雄氏との共作
1980/07  年中行事記念日 365 日のひみつ 学習研究社 ひみつシリーズ・共作  
1980/12  絵とき・たのしいなぞなぞ 日東書院
1981/06  絵とき・なぞなぞ遊び 日東書院
1981/07  水泳入門 学習研究社 早わかり入門シリーズ・
1981/12  おもしろなぞなぞ 小学館・学習まんがふしぎシリーズ
1982/07  なぞなぞ大集合 小学館・学習まんがふしぎシリーズ
1983./10  宇宙のひみつ事典 学習研究社 ポケットひみつ文庫・コマ漫画部分執筆
1983./10  動物のひみつ事典 学習研究社 ポケットひみつ文庫・コマ漫画部分執筆
1985/12  日本のとんち話事典 学習研究社 事典シリーズ・共作  
1986/06  ことわざ大事典 学習研究社 ひみつシリーズ・共作  
1987/07  なるほど!まんが知能なぞなぞ 1 年 偕成社
1987/07  なるほど!まんが知能なぞなぞ 2 年 偕成社
1987/08  なるほど!まんが知能なぞなぞ 3 年 偕成社
1987/08  なるほど!まんが知能なぞなぞ 4 年 偕成社
1988/10  俳句・川柳ひみつ事典 学習研究社 ひみつシリーズ・共作
1989/07  まんが・ゴルフルール 梧道書院  
1990/08  かわいいイラスト・カット集 池田書店・共作
1990/11  魚・この本食べられます 池田書店・共作
1990/12  なぞなぞクイズ 小学館・なぜなに幼稚園・共作

ドラえもん なぞなぞ単行本

ドラえもんふしぎシリーズ同様ヨシダテイストの笑いとユーモアが満載だ。
てんとう虫ブックス
・ドラえもんのなぞなぞポケット/ 1988 年 12 月
ドラえもんのなぞなぞ学校 / 1989 年 6 月
ドラえもんのなぞなぞ図鑑 / 1989 年 12 月
・ ドラえもんのなぞなぞカレンダー/ 1990 年 12 月
ドラえもんのひらめきクイズ / 1992 年 2 月
ドラえもんのびっくりクイズ / 1992 年 11 月
ドラえもんのなぞなぞ動物園 / 1993 年 9 月
ドラえもんのなぞなぞゲームランド / 1994 年 4 月
ドラえもんの激辛! いじわるクイズ / 1994 年 10 月
ビックコロタン
ドラえもんのなぞなぞ英単語 / 1990 年


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ドラえもんふしぎシリーズ